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馬虹師父に指導を仰ぐ筆者
    

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「列」を巡る冒険〜その3
裏山です。

前々回では「列」について問題提起をしました。

さらに前回ではより解決の糸口を示しました。

いよいよ、解決編です。

(厳密には、僕の『仮説提起編』、ですが・・・)


「列」における重要なポイント、それは、

強力な回転力

にあると言いました。

       回転、といって思い出されるのは、

全ての太極拳が重視する、

抖勁(トウケイ)

ではないでしょうか?

いや、そうです!
(話が進みませんからね・・・)

この「抖」、中国語では、

(1)震える、身震いする。
(2)払う、振るう。
(3)暴露する、さらけ出す。
(4)奮い起こす。

といった意味があります。

犬が、体が濡れたときに身を震わせてしぶきを飛ばす、あの感じです。

と、ここで、ミクロの世界にズームイン!・・・
じゃない、ズームアップ

身を震わせた瞬間の、犬の毛を想像してください。

先端はその遠心力で外に伸びていこうとしています。
同時に、それが完成するよりも早く、犬は体を反対に振るので、
毛根の部分では、すでに反対方向への力を伝え始めています。
(わかりにくくてすいません・・・)

その様子を横から見ると、

『つ』

の字に似ている感じです。

この形、僕が何を言いたいかというと、

「離れようとしつつ、近づこうとしている」

そんな状態です。

離れようとしている力、これは遠心力です。
武術の世界では(本当は、科学用語なのかな??)

離心力

といいます。

では近づこうとしている力、これはなんと呼べばいいんでしょう?
大丈夫、ちゃんとあります!

求心力(向心力)

といいます。

つまり、回転している状況には、

離心力と求心力が同時に働いている


ということです。

これで解答がでました。
(早!!びっくり

「列」

とは

「離心力と求心力の同時発現」

である。

これまで、離心力だけを取り上げて説明されてきた「列」。
そのため、何のこっちゃわからない状況が生まれてきました。

けして、

「手背で敵の頸部に向け斜めに打つ」

ことが「列」の本質ではないし、

「掌を用いて相手を押しのけ」る

ことだけを追い求めた技法でもないのです。

ここで、「列」が何を代表していたか思い出してみましょう。

「列」は

五行の土に属し、西南を表し、丹田に対応し、脾経に属す。
八卦では、坤六段に当たる。

土は万物の素です。

八方向では、「列」は西南ですが、
四方向で考えた場合、「土」は「中央」に当たります。

丹田に対応するのも、これでわかります。

丹田とは、呼んで字のごとく、

「“丹”を生み出す“田”」

なのですから、

「土」が「丹田」に対応するのは当然です。

坤六段とは、次のような卦を指しています。

坤六段

一目瞭然!!

完全な離心力を表しています。

しかし、これだけでは、

「列=離心力」

でしかなくなります。

もう一節、思い出してください。

「『採』した後、あるいは『履※』した後、腰腿の勁を用い」

この「列」は発揮されるのです。

ただ、僕の考えでは、

「履」では、「列」につなぐことはできません。

なぜなら、

「『列』と『採』は一セット」

と考えるからです。

『採』の卦は、下のようになります。



『列』と全く逆です。

卦名も、坤と対をなす、『乾三連』です。
これは、完全な求心力を表しています。

この二つを一つにします。

そうすると、

この世で最も簡単な渦巻き


が生まれます。

つまり

太極図

です。

「列」と「採」。

この二つで構成される技法としての「列」は、
太極図を形作るものなのです!

八法としての「列」が「丹田」に対応するのは、
それがそのまま太極を表すからに他なりません。

野馬分ソウが「列」なのは、
その前に両手で円(球)形作り、
その後に離心していくからです。

そこには、「引進落空」が明確な形で組み込まれ、
「ラン雀尾」が表す『朋※』との違いを浮き彫りにしています。
(これ、話し出すと長くなるんで、また別の機会に・・・)

引く手の求心力、振り出される手の離心力、
この二つで「野馬分ソウ」は完成します。

けして「野馬分ソウ」の完成形(それも前の手)だけを見て、

『あれは「朋」だ!!』

などと、したり顔で言わないでくださいね。

太極拳の力は全て「朋」なんですから・・・

だんだん、話が込み入ってきたので、
もう一度、結論をまとめます。
(強引冷や汗

「列」とは何か??

それは、

『丹田から発する回転力で、
 両手があたかも太極図を立体的に描くようにして
 運用されることによって生じる、
 離心力・求心力の自他への発現形態』


です。

(いやー、長かった・・・)
| motoaki | 拳論〜ちょっとまじめな太極拳解説 | comments(0) | trackbacks(0) |

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